【DS検定#3】データサイエンティスト・アナリスト・エンジニアの職種と業務のリアル

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はじめに

データサイエンティストって、具体的に何してるの?

アナリストやエンジニアと、どう違うの?

データ活用の現場では、役割の“名前”が似ていても、業務内容や使うツール、関わるフェーズは大きく異なります。DS検定でも頻出のこのテーマを理解することは、キャリア設計・チーム構築の両面で非常に重要です。

この記事では、データサイエンティストのリアルな業務プロセスを、アナリスト/エンジニアと比較しながら具体的に紹介します。

この記事で分かること
  • データサイエンティストが現場で担う業務の全体像
  • アナリスト/エンジニアとの違いを具体的な業務・スキルで比較
  • チーム連携の中で発揮すべき役割と専門性

データサイエンティストとは?現場での立ち位置

データサイエンティストは、以下のように「ビジネス課題を、データで解決に導く」ことを目的とした職種です。

営業部
営業部

最近特定商品が売れなくなった。理由が知りたい

データサイエンティスト
データサイエンティスト

売上・顧客属性・天候・競合動向などから要因を分析して、改善案を提案する

このように、ビジネス側の課題を理解し、データを手がかりに仮説を立て、検証し、改善策を導き出すのがデータサイエンティストの仕事です。

データ活用が進む現代ビジネスにおいて、データ専門職は不可欠な存在です。データアナリスト、データエンジニア、データサイエンティストはそれぞれ異なる役割を担い、組織のデータドリブンな意思決定を支援します。

以下のようにそれぞれのデータアナリスト、データエンジニア、データサイエンティストにおいて、専門領域と主要な業務を理解することで、より効果的なチーム構築とデータ戦略が可能になります。

データ
アナリスト
データ
エンジニア
データ
サイエンティスト
主な目的現状把握と報告データを扱える状態に整える問題解決と意思決定支援
主な業務KPI集計
ダッシュボード作成
傾向分析
ETL構築
DB設計
データ収集・保守
仮説設定
分析モデル設計
結果の提案
主なツールExcel
Tableau
PowerBI
SQL
Python
Airflow
Python
R
scikit-learn
データとの関係“既に整ったデータ”を使って可視化“未整備のデータ”を取得・加工して提供“活用目的に応じて加工したデータ”で仮説検証
Table1 データアナリスト、データエンジニア、データサイエンティストの違い

実務におけるデータサイエンティストの仕事の流れ

データサイエンティストの仕事は、単にアルゴリズムを回すことではなく、課題発見から施策実行支援、時には教育までを含む“総合的なプロジェクト遂行”です。以下は、その典型的なワークフローです。

課題ヒアリングとビジネス理解

【目的】
ビジネスサイドと密に連携し、「なぜ分析するのか?」「意思決定にどう活かすのか?」を明確化する。

【具体例】
営業部:「ある商品の売上が落ちている。理由を知りたい」

データ収集と前処理(データマネジメント)

【目的】
必要な情報を正確に、分析可能な形で整える。

【具体例】
・SQLでDBからデータ抽出
・欠損値の処理(補完・除去)
・異常値や重複の除去
・特徴量の設計(例:過去7日間の平均購入金額などの集計列を作成)

分析・モデリング(仮説検証)

【目的】
仮説を検証し、データから知見を導き出す。

【具体例】
・回帰分析で「価格が下がるとどれくらい売上が増えるか」を予測
・ロジスティック回帰やXGBoostで「解約しそうな顧客」を分類

可視化・プレゼン・提案

【目的】
非エンジニア・非データ人材にもわかりやすく結果を共有し、次のアクションにつなげる。

【具体例】
・TableauやPower BIでインタラクティブなダッシュボードを作成
・分析結果をPowerPointで経営層にプレゼン

スキルトランスファー(再現性・教育)

【目的】
チームやクライアントが自走できるよう支援する。再利用可能な資産を残す。

【具体例】
・分析コードのGit管理とドキュメント整備
・データ部門がない部署への研修実施(例:営業チーム向けに「簡単なSQL講座」など)

演習問題|理解度チェック

次のうち、データエンジニアの業務として最も適切なのはどれでしょうか。

A. 売上要因を分析し、改善提案をプレゼンする
B. 回帰分析により需要を予測し、ダッシュボードにまとめる
C. 分析で使用するログデータを集約・整備し、パイプラインを構築する
D. 経営陣向けにKPIグラフをBIツールで作成する
正解:C

パイプライン構築やデータの整備は、データエンジニアの主要業務です。

まとめ

今回は、データサイエンティストのリアルな業務内容と、データアナリストとデータエンジニアとの違いについて詳しく解説しました。

データサイエンティストは、単に分析するだけでなく「課題を定義し、データを収集し、仮説を検証し、成果につなげる」までを一貫して担います。一方、アナリストは「現状の可視化」、エンジニアは「分析可能な環境の構築」に強みを持っており、3者はプロジェクト成功に不可欠な役割を分担しています。

特に実務では、「誰がどこまで担当し、どのように連携するか」を理解することが、プロジェクト全体の質やスピードを大きく左右します。

この記事のポイント
  • データサイエンティストは、課題設定から提案・改善支援までを担う総合職種
  • アナリストは「可視化と現状把握」、エンジニアは「データの整備と基盤構築」が主な役割
  • 成果を出すには3職種の相互理解と連携が不可欠である

次回は、

DS検定とは?概要・出題形式・対象者

というタイトルで解説します。

「どんな問題が出るの?」「どんな人に向いている?」「どの分野からどのくらい出題される?」といった疑問にお答えします。

出題形式・配点・シラバスの構成だけでなく、文系・未経験者がつまずきやすいポイントにも触れますので、受験を検討している方は必見です!

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